針の落とし物
〜電気のない、草しぶき屋根の古屋に住む女性がいました〜
彼女は洋服を修繕しているときに針をなくしてしまいました。
そして小屋の外に出て、一生懸命探したのです。針をどこでなくしたかと聞かれた彼女は、「家の中で。」と答えました。
「ではなぜ家の外で探しているの?」と聞かれると
彼女は「だって家の中は暗くて、外は明るいから」と答えました。
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その彼女と同じように、私たちは自分を満たしてくれる何かを求めて
内面を探すことをせずに
外的感覚の世界に幸せを求め続けます。
私たちは落ち着きがなくなります。
これが叶ったら
これが無いから
これがあるせいで
これが足りないから
もしも痩せたら
納得のいく顔になったら
人付き合い上手くいったら
収入増えたら
やりがい見つけられたら
あの人みたいになれたら……
そうして、外の明るいところに
自分が満たされる何かがあるのだと探し続けていても、
本当の自分の内側の
一見暗くて見えないところにあるキーに気がつかない限り、その「探し物」は見つからないという
私の好きなヨガのお話の一つです。
欲望を満たすことによって幸せが訪れると考えているので、私たちには多くの欲望が生まれます。
でも、欲望が一度満たされると、また不足感を感じて探し始めます。そして不足はその対象のせいだと思い込み、対象を変え続けます。
この過程には終わりがありません。
【本当の問題は私たちのマインドが外に幸せを求めてしまうことにある】と気づかないのです。
ヨガにおけるリラクゼーションは重要です。
リラクゼーションとは落ち着きのない状態から脱却し、愛着や欲望(不足感、不安感)から自由になることを意味します。
また自分自身を明け渡し、内なる自分を受け入れ、全てが完璧なのだと理解することでもあります。
ヨガのクラスは呼吸法とリラクゼーション組み合わせることで、内観し、リラックスし、落ち着き、自分自身に気づくことに役立ちます。
引用:ヨガの実践と哲学の要点
シヴァナンダアシュラム/ヨガファーム
kana
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